この俺がまさかバレンタイン投稿するとでも思ったか?

「馬鹿め!そんな文化知らぬ!存ぜぬ!関わらぬ!そもそも昨日は女子にエンカウントすらしてねぇよ!!w」

 バレンタインの事なんて話題にするのも嫌です。どうあがいたって言い訳臭くなりそうなので。それとコメント陣、お前らこれ以上将軍のピュアなハート傷付けたら承知しないからな!覚えとけよ!

 そんな訳で僕は昨日エロゲをしたり男友達とネトゲをしたりしていました。と、そこに来客を告げる呼び鈴が。インターフォン越しに確認すると扉の前にはなんと、現役女子高生が!思わず我が目を疑いました。え?何これ夢?妄想?いや、これは確かな現実。長年リアルと妄想の狭間を行ったり来たりしている俺には、分かる。そしてその子の胸元にはきれいにラッピングされた小包が大事そうに抱えられている。

 ここまで状況が整えば流石にもうアレしかないだろう。そう、ついに俺もバレンタインというイベントに参加する日が来たのだ!!よっし、小屋で自慢しまくろう!…いや待て。落ち着け。そんな事ありえるはずがない。そもそもこの子全然知らない子だ。そうか、これは孔明の罠だ。扉を開けた瞬間「今です。」ってなるに違いない!危ない騙されるところだった。これだから人間は信用できないのだ。人を信じちゃいけないって「あの日」思い知らされたじゃないか………
「あのう…。」
ほう、何だ?小娘。この俺を誑かそうと言うのか?ところがそうはいかな…
「○○さん(妹の名前)いますか?」
「へ?」

 あの女子高生は妹にチョコレートを持ってきたのだった。どうやら他校の子からもチョコを獲得してきたらしい。テーブルの上は戦利品でいっぱいだ。友チョコか?いや、あいつは一昨日そんな準備していた気配はない。…どんだけー。

 すれ違いざま。奴は俺の方を見てニヤッと笑う。俺の事情を全て分かっているのだ。「どう?沢山あるから一つ食べる?」
 俺はその時、あのカカオ豆をすり潰して溶かして固めた食品を決して口にしないと決めた。そして2月14日は絶対に小屋で記事を投稿しないと決心した。