パンチラ

 外出する際に上着を一枚着ていきたい時期になりましたね。神官です。

 ある日の講義中、前の席に座っていた女の子のスカートがやや下にずれてパンツが少し見えているのに気付きました。と、いっても端っこが若干見えている位で全然大した事でもありませんし、そもそも私は今更パンツを見たところでどうという事も無いので、水玉の数を数えながらぼんやりとその講義を過ごしました。

 次の講義は休講で、私は講義室で3講目の予習をしながら過ごしていたところ、間もなく講義が始まるという時に空いていた前の席に座る人がいました。と、思ったらそれはなんと彼女でした。碌に顔も見ていないのに何故分かったかといえば当然そこに見慣れたパンツがあったからです。

 最近はやりの見せパンとかいうものだろうかとも一瞬思いましたが、それが見せるためのものではないことはすぐわかりました。何故分かったかは言えませんが。ということは彼女は今日一日パンツを晒していたということでしょうか。だとすれば女の子として恥ずべきことです。私は紳士としてそっと傷つけないようにそれとなく他意なく伝えるべきだと感じました。それは私がパンツを見ていたことを自白するようなものですが、私の好感度とうら若い乙女の貞操のどちらが大切かは明白です。意を決して伝えようと思った時、私に天啓が下りました。

 「何が、問題なのだ?」

 それは角度的に座った時にのみ見ることができる構造でした。そして1講と3講は私が後ろの席を陣どり、2講は講義自体無かったのです。つまり、その日彼女のパンツを見ることができたのは私、三次元にまるで興味を示さない人畜無害の紳士だけだったのです。わたしは思いました。きっとこれは彼女を守る守護霊が、彼女の純潔を保つためにこの私を引き合わせたのだと。

 講義の終わりを知らせる鐘が鳴り響きました。立ち上がって帰路に就く彼女の背中を見送る私は何人にも伝え難い感動に包まれていました。彼女のパンツはもう見えていません。彼女を守る奇跡を目の当たりにし、私はこの世界を包む神の存在を感じたような気がしました。

彼女に祝福あれ。

すべての乙女に祝福あれ。

 私は涙を拭いもせず、その場を後にしました。雨上がりの空に虹が架かっているのを見ながら。

(追記)
 今日持って19歳となりました。韓国でもエロ本を買える年齢です。皆さん今後とも神官をよろしくお願いします。